バルト3国の一つ、エストニアの首都タリン。フィンランドのヘルシンキから高速船で約2時間・またはフェリーで約3時間でアクセスできる魅力的な都市です。中世の面影を色濃く残す旧市街は世界遺産に登録されており、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような体験ができます。
13世紀にデンマーク人によって建設されたこの都市は、ヨーロッパの中では比較的物価が安く、最近ユーロを導入しているものの、バルト三国の中では中程度の物価水準です(ちなみに、一番安いのはリトアニア、一番高いのはラトビアです)。
北欧旅行のついでに日帰り観光もできますが、できれば一泊してゆっくりと街の魅力を堪能したいところですね。
街全体を見渡してみる
トームペア城から街全体を眺めてみました。支配者や貴族の居住区であった山の手(トームペア)や、庶民文化が残る下町、赤い屋根と塔が並ぶ旧市街を一望できます。ちなみに、タリンで一番目立つ建物が「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」。ロシア正教会の聖堂で、特徴的な玉ねぎ型のドームが目印です!
タリン歴史地区を散策してみる
街中にある石造りの門をくぐれば、貴族の住まいを守る城塞跡や、ロシアのツァーリ時代、旧ソ連の面影を垣間見ることができます。見たい場所を地図にマーキングしてから歩き始めると、同じ場所を何度も通らずに効率よく観光できますね。
タリンの住宅は、ハンザ同盟の法律に従って、正面が道路に面するように建てられています。また、住居の屋根裏は倉庫としても使われていたため、上部にクレーンが設置されていることも。観光に夢中になって石畳の道でつまづかないよう注意しましょう!
夏には、「旧市街の日」と呼ばれるイベントが開催されます。「ラエコヤ広場」などで、中世をテーマにした舞台が上演されていて、タイムスリップしたような気分を味わえます。
かわいい北欧雑貨を探してみる
エストニアは北欧だけあって、素敵な北欧雑貨店がたくさんあります!パステルカラーの建物やオシャレな看板が目印です。手編みのぬいぐるみ、ブリキのおもちゃ、フェルト製のネコのぬいぐるみ、ロシアの影響が見られるマトリョーシカなど、買わずにはいられません!ロシア系の店主が営業していることも多いため、旧ソ連時代のアンティークに出会えることもあります。
無形文化遺産の「歌と踊りの祭典」を体験してみる
ユネスコ無形文化遺産に登録され、5年ごとにタリンで開催される祭典です。旧市街から約7㎞の道のりをパレードし、その後に歌の祭典が続きます。ソ連の支配下にあった1988年には、30万人が集まり、当時禁止されていたエストニア語で民族音楽を合唱しました。これは「歌う革命」と呼ばれ、「タリンの歴史を動かした合唱」と言っても過言ではありません。
エストニア料理を堪能してみる
タリンには、デンマーク人、ドイツ人、ロシア人が住んでおり、様々な文化の影響を受けています。そのため、地中海料理、ロシア料理、エストニアの創作料理などバラエティに富んだ料理が楽しめます。バルト海の新鮮なシーフードも魅力的で、しかもリーズナブル!
観光地を避け、こじんまりとした中庭つきのレストランで食事するのもよし、物価が安いので、豪華なレストランで贅沢するのもよいでしょう。
特におすすめなのがタリン一番の名店「Rataskaevu 16(ラタスカエヴ16)」です。
ぜひ試したいエストニア料理は以下の通りです:
- スルトゥ(コラーゲンたっぷりの豚の煮こごり)
- ヘルネスップ(豆とベーコンのスープ)
- カマ(穀物をすりつぶした伝統的なデザート)
- クリンゲル(レーズンやナッツ入りのドイツ風パン)
- カーシャ(穀物粥)
- 新鮮なイワシ料理
- バルト海のザリガニ料理
タリン観光の基礎知識
日本からのアクセス
ヘルシンキ経由やフランクフルト経由で、所要時間は約16時間。フィンランド・ヘルシンキからはフェリーで約3時間、高速船で約2時間でアクセス可能です。
旅行のベストシーズン
6月~8月の夏季が、日照時間が長く観光に最適です。フィンランドより温暖で過ごしやすい気候です。
治安について
外務省からの危険情報は出ておらず、比較的安全に観光できる都市です。
言語について
都市部では英語がよく通じるため、観光で困ることはほとんどありません。